ヤングケアラーとは18歳未満の子どもが家族の世話をすること。
その背景は一人一人異なる。
祖母、兄弟などの世話をしているヤングケアラーの実態もある。
もしヤングケアラーについて知りたいと思ったら本書を手にとってみてほしい。
7名のヤングケアラー経験者が語るリアルな実例を知ることができる。
それはある日突然訪れる。
そして自分とは無関係の話では決してない。
大切な人(家族)を責任もってケアを続ける若者の話。
本書を読んでヤングケアラーの心の中を知ることで、私たちがとるべき対応がみえてくる。
ヤングケアラー=可哀そうではない
本書の最初の語り手宮崎成悟さんは、はっきりと言う。
ヤングケアラーはやらされているのではない。
自分がやらなければいけないという意思をもってやっている。
可哀そうだと憐れみの視線を送られることは望んでいない。
またヤングケアラーを経験したからこそ、身につくことも多いという。
ヤングケアラーだからできないこともあるが、ヤングケアラーだからできることもたくさんある。
本書の中で冒頭にこう書かれていて、ヤングケアラーが自分の時間を削っていることに漠然と可哀そうと思っていたことを反省した。
あなたの家族が倒れたら世話をやりきれますか?
こう問われている気がした。
強い心と優しい心をもってお世話を続けている人、それがヤングケアラーの実態。
度重なる病に耐える親をもつ子
本書の最後の語り手、高岡里衣さん。
お母様が進行性の病を患いながら、さらに重篤な疾患を併発していた時期のお話。
そんな中でのお母様とのやりとりは、読んでいて涙が止まりませんでした。
最後まで「ありがとう」と伝えてくれたお母様。
高岡里衣さん自身も心身ともに辛い状況の中、「お母さんの方が大変な思いをしている」と懸命にお世話を続けた時間。
ヤングケアラーの実例は、想像をはるかに超えた家族への愛もあるのかもしれない。
ヤングケアラーの周りにいるわたしたちができることを考えるきっかけとして、本書を読んで実態を知ることがわたしの第一歩な気がした。

